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復興支援助成金
『大槌みらい新聞』で街づくりを下支え
特定非営利活動法人 ボランティアインフォ
当財団は、被災地の復旧・復興支援活動を行うNPOや社会福祉協議会などへの助成金制度を実施しています。助成先の一つ、「ボランティアインフォ」の活動を紹介します。
役割は人がつながる場の提供
震災後、ボランティア情報が適切に発信されておらず、ボランティアをしたいと思う人に情報が届いていませんでした。そこで、“ボランティアして欲しい人とボランティアしたい人をつなげる”ため、昨年5月ボランティアインフォは設立されました。ウェブ上に散らばっている情報を集約するとともに、情報が不十分なところからはヒアリングして募集情報発信を代行しています。
ボランティアインフォの副代表を務める大藤多香子さんは仙台出身。昨年3月、東京の仕事を辞め、仙台に戻りました。
大藤多香子副代表
「被災地に足を運んでもらうこと。現状を見て何かを感じることで、自分にできることを見つけて欲しいと思います」(大藤さん)
ボランティアインフォは今年7月から、地元主要メディアの岩手東海新聞社が津波により廃刊となった岩手県大槌町で活動を開始。ウェブや、Facebookなどのソーシャルメディアを使い、住民参加型の情報を発信している。インターネットは初めてという高齢者にも、楽しさがわかったと喜ばれている。
その一方で、月に一度、『大槌みらい新聞』を発行している。人気を集めているのが、『町民カレンダー』のコーナー
『大槌みらい新聞』と、同紙人気コーナーの一つの『町民カレンダー』
住民の写真とコメントを掲載し、震災以降疎遠になってしまった方が元気にしている様子を見つけられると、読者から喜ばれています。発行部数は5000部。大槌の世帯数とほぼ同数ですが、スタッフとボランティアが一軒一軒手渡しで届けています。
『大槌みらい新聞』の現地責任者および記者を務める松本裕樹さんは、地方新聞社に勤めていました。その経験を活かし、取材におけるノウハウや、新聞のつくり方を地元の方に教えています。この11月には、写真の撮影教室を行いました。
松本裕樹さん
「大槌の方々は当初、情報発信に遠慮がちでしたが、写真や文章などのワークショップに参加して頂いたことで、その楽しさを知り、一転して町民レポーターとして継続的に発信する町民も徐々に増えています」(松本さん)
仮設住宅の皆さんとの談話の様子
今後の抱負を松本さんに聞きました。
「町民レポーターが、主体的に運営していくようにしていければと考えています。そして地元の生き生きとした情報を発信していきたい。私たちは場を提供しているだけ。私たちの活動を通して、人のつながりが生まれ、街づくりの下支えになれば良いと思っています」(松本さん)
希望を失った人、失いそうな人たちへ、希望を。ボランティアインフォの活動は続きます。