復興支援助成金

“歩く”ことで被災者を健康に
一般社団法人 OVAL HEART JAPAN 復興支援助成先紹介 File 19

当財団は、被災地の復旧・復興支援活動を行うNPOや社会福祉協議会などへの助成金制度を実施しています。助成先の一つ、「OVAL HEART JAPAN」の活動を紹介します。

ウォーキング教室を毎月開催

OVAL HEART JAPANは、元神戸製鋼のラグビー選手だった大西一平氏が、阪神・淡路大震災での経験を活かすため仲間とともに組織。震災直後に支援を開始し、当初は炊き出しや物資を提供。また昨年は、気仙沼の子どもたちを対象にラグビースクールを実施しました。今年3月からは毎月、エコノミー症候群が心配される仮設住宅で、より実践的な支援を展開していくため、ウォーキング教室『歩く人』を開催しています。

「初めは、ウォーキング教室が被災地のニーズに合っているのか不安でしたが、参加者のみなさんが笑顔で帰るのを見てホッとしました。郡山で実施した教室では、ある参加者から、『ここで正しい歩き方を覚え、いつか自宅への帰還が認められたら、50㎞離れた我が家まで歩いて帰ってみたい』と言われ、思わず胸が熱くなりました」(原田浩平理事)

原田浩平理事(後列右端)

スタッフには、エンジニア会社などに勤務している方々もボランティアで参加しているそうです。


ウォーキング教室の様子

教室の立ち上げ当初は、開催場所を探すのに苦労しましたが、気仙沼支援協会との連携を図ることで運営がスムーズに。11月3日に気仙沼の五右衛門ヶ原運動場の仮設住宅で開かれたウォーキング教室には、30名あまりの参加者が集まりました。講師を務めた土井龍雄さんは、スポーツ選手のトレーナーに37年間従事。プログラムのテキストとして使用された『歩く人』の著者でもあります。ウォーキング教室では、骨や筋肉の仕組みの解説や、仮設住宅内でもできる筋力強化運動、負荷を掛けない正しい歩き方の指導を行いました。最後には参加者一人一人が加速度測定装置で歩行の負荷を測定しました。

「歩く機能を維持することは大切なこと。運動は継続性が大事で、同じ仮設住宅を訪ねることがなかなかできず、フォローアップができていないという課題はありますが、ウォーキング教室は役に立つ活動だと信じて、継続していきたいと考えています。今は東京からボランティアが通っていますが、それぞれの場所に核になる人材を育て、地域に定着したサークル的な活動に発展させていきたいですね。そこに時々東京から専門的な技量をプラスアルファでつけ加えてフォローアップしていく仕組みを作っていきたいと思っています」(原田さん)

希望を失った人、失いそうな人たちへ、希望を。OVAL HEART JAPAN の活動は続きます。

■『OVAL HEART JAPAN』webサイトはこちら

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