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復興支援助成金
晴れの日の七五三を一生の思い出に
社団法人 岩手県母子寡婦福祉連合会/財団法人 宮城県母子福祉連合会/財団法人 全国母子寡婦福祉団体協議会/福島県いわき市母子寡婦福祉会
当財団は、被災地の復旧・復興支援活動を行うNPOや社会福祉協議会などへの助成金制度を実施しています。助成先の一つ、「母子寡婦福祉連合会」の活動を紹介します。
笑顔を取り戻してもらおうと、記念写真会を開催
全国各地で活動している母子寡婦福祉連合会は、母子家庭、寡婦家庭が安心して暮らせる福祉社会の実現を目指して活動する団体。母子家庭、寡婦家庭の人たちの経済的、精神的自立を図り、社会的地位向上を目指し活動しています。
概して母子家庭は経済的にゆとりがなく、ましてや被災地域では心身共に疲弊している方も少なくないのが現状です。そこで母子寡婦福祉連合会では、華やかなイベントを開催することで、少しでも明るい笑顔を取り戻してもらいたいと、ひとり親家庭のお子さんと震災孤児のお子さんを対象に、七五三の記念写真撮影会を盛岡(9月)と仙台(10月)で開催しました。
被災した岩手県、宮城県の母子寡婦福祉連合会では、組織に活動の余裕がなく、写真撮影会開催に漕ぎ付くまでにもさまざまな困難がありました。参加者もなかなか集まらず、社会福祉法人などの関連組織にも声を掛けてもらうなど、協力を仰ぎました。このイベントを企画した全国母子寡婦福祉団体協議会事務局の平田詔子さんは、「精神的に立ち直っていない方々も少なくないことと同時に、届くべき人のところへ情報が届いていない面もあると思います。救援物資や資源・財源がいくらかあったとしても、その支援を受けるべき人の手に届けるということが、思いのほか大きなプロセスなのだと思います」と話します。
全国母子寡婦福祉団体協議会事務局の平田詔子さん(後列左から二人目)
10月6日の仙台での撮影会には8名の親子が参加。なかなかポーズが決まらずカメラマンを手こずらせる男の子がいるかと思えば、せっかくの晴れ着を脱ぐのが惜しくて着替えを渋る女の子も。中には、ご両親を伴って訪れ、祖父母・親・子どもの3代で記念写真を撮る家族もありました。
撮影会の様子
「参加されたお子さん方は、カメラを向けられると満面の笑みを浮かべます。自分が注目されていることがとても嬉しいのでしょうね。あまりの嬉しさにお昼寝ができず、写真スタジオに来てからウトウトし始めたお子さんもいました。お子さんの晴れ姿を見ているお母さん方も嬉しそうなのが、とても印象的でした。開催してほんとに良かったと思います。福島でもぜひという声に応えて、11月にはいわき市で実施予定です。今回の震災では、被害が依然として深刻で、支援を受ける側が脆弱になっており、せっかくの支援を受け取れない状態が続いていることも事実です。実際に私たちの組織も、福島の県支部は残念ながら解散せざるを得ませんでした。それぞれの支部が自立した活動ができるよう本部としてもしっかりと応援していきたいと思っています」
希望を失った人、失いそうな人たちへ、希望を。母子寡婦福祉連合会の活動は続きます。