復興支援助成金

デザインで復興を支える
ギフトホープ

Focus10

当財団は、被災地の復旧・復興支援活動を行うNPOや社会福祉協議会などへの助成金制度を実施しています。助成先の一つ、「ギフトホープ」の舘内亨太さんに、活動を始めたきっかけやこれまでの活動内容、今後の抱負などについて聞きました。

東日本大震災の被災地・被災者への復興活動を開始した理由、きっかけを教えてください。

震災前に映画製作会社に勤めていた関係で、俳優の渡辺謙さんと脚本家の小山薫堂さんが展開しているプロジェクト「kizuna311」のお手伝いをしていました。渡辺謙さんと一緒に、北は岩手の宮古から、南は宮城の東松島まで避難所を回りました。その数は、50カ所以上に上ったと思います。その過程で、宮古や釜石、陸前高田、気仙沼、石巻などの行政や、被災地で活動していたNPOの方々と懇意になりました。その方々や被災者の皆さんと、どんな支援が求められているのか、また将来的に何をすべきか対話を重ねました。その結果、立ち上げたのが、「ソーシャルネットショッピングモール」でした。

具体的にはどのようなwebサイトでしょうか。

サイトには被災地の商品が「ショップ」に、また支援団体や個人が「ヒーロー」として掲載されています。商品を購入されたお客さまは、応援したいヒーローを選択することができます。そして購入されたお客さまの代わりに、ショップが商品価格の一部を、選ばれたヒーローに寄付する仕組みです。お客さまは買い物を楽しみながら、寄付を通して社会貢献ができるというわけです。サイトの一番の人気商品の一つは、「にこまるクッキー」。料理研究家の枝元なほみさんと、被災地のお母さんたちがチームを組み開発した商品です。ほくほくして口当たりが良く、甘さも控えめでヘルシー。被災者が全て手作りしています。

ご苦労された点は?

「にこまるクッキー」は月間15万ぐらい売り上げがあります。サイト全体ではこれまで140万円ぐらいの売り上げがあり、9月の段階で14万円以上を寄附することができました。悩みの種は、ショップに出店が決まり掲載されてしまうと、販売者に追加の販売努力をする余裕がないこと。皆さんお忙しく、サイト上でプロモーションを仕掛けることまで手が回らず、その結果としてサイトがなかなか活性化しないのです。
ヒーローの一つ、福島でのオーガニックコットンプロジェクトを応援する一環で、ドイツのオーガニックフェスティバルに出展したことがありました。以前の仕事の関係を活かして、世界的に人気の『NARUTO』のキャラクターをプリントしたTシャツを目玉商品にして販促しました。この時、デザインのお手伝いまですることで、まだまだ自分たちにやれることはあるなと感じました。

今後の活動予定や抱負を聞かせてください。自分たちの活動を通じて、被災地や被災者へ、どんな“希望”を与えたいとお考えですか。

私は仙台出身ですが、東京の会社に就職。震災当日は仙台で仕事をしていたところで被災しました。そんな偶然からも復興支援は自分の使命とも感じています。
今後は、webサイトをリニューアルして「デザインで復興を支える」ことを考えています。具体的には、被災地で社会的に意義の高い活動をしているのに、知名度が低いため資金に困っている個人や団体を毎月一つ選択。そのプロジェクトのイメージデザインを世界中のデザイナーに投稿してもらいます。投稿された作品から魅力的なデザインを30~50種類選択。そのデザインをTシャツや被災地商品に印刷し、サイトを通して1カ月間限定販売します。販売価格の一部を寄付先へ届けようというものです。ソーシャルデザインの世界でも幅広く活躍している著名なデザイナーの福島治氏と協力しながら試作を開始し、当初は50人くらいのデザイナーを確保できればと思っています。英語サイトも制作し、デザインの供給元としても商品の販売先としても海外市場の開拓を目指します。以前の仕事のつてで、カナダの映画制作会社や、インドやインドネシアの仲間の協力を仰ぎながらグローバル展開を図り、事業の継続性を高めたいと考えています。

『NPO法人ギフトホープ』webサイトはこちら

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